子どもの虫歯と予防

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子どもの時代の口の中の健康は、歯と口腔の将来に大きく影響します。虫歯になりやすい乳歯と生え始めの永久歯を虫歯菌から守りましょう。

ヘルスチェック

こんな症状に注意!

  • 母親の膝に寝かせて乳児の歯を磨いていますか?
  • 子どもに自分で歯みがきをさせ、親が仕上げをしていますか?
  • フッ素入りの歯みがき剤を使っていますか?
  • おやつは時間を決めて与えていますか?
  • 歯のつけ根や奥歯のかみ合わせ面に白い点がないか、歯みがきのときにチェックしていますか?

子どもの歯の生え方

乳歯の生え始めは生後6ヶ月
子どもの歯の基礎は、母親の胎内にいる胎生6~7週ころから形成が始まります。その後、16~20週ごろには、カルシウムとリンによる石灰化が起こり、あごの骨の中で成長を続けます。
個人差はありますが、通常、生後6~7ヶ月ころにはじめての乳歯が生え始め、2歳5ヶ月ころには20本全部の乳歯が生えそろいます。
乳歯から永久歯に生え替わり始めるのが、6歳頃です。永久歯は生えそろうのに 乳歯より時間がかかりますが、12~13歳頃までには、28本全部の歯が永久歯になります。子どもの頃の乳歯はいずれ生えかわるものですが、乳歯のひどい虫歯を放置すると、永久歯の歯並びに影響して、不正咬合の原因になることがあります。
最近は、乳児期からデンタルケアの習慣が重要といわれるようになっています。永久歯が完全に生えそろう時期までのケアが、その後の歯と口の健康を左右します。

乳児の虫歯

ミュータンス菌が虫歯をつくる
歯にベッタリくっついているプラーク(歯垢)にいる虫歯菌が、糖分や炭水化物を発酵させてつくる酸によって、菌の表面のエナメル質が溶けてしまうのが虫歯です。
口の中がpH5,5以下の酸性に傾くと、エナメル質は溶け始めるといわれています。
口の中には色々な菌がいて、いくつかの連鎖球菌、乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)、放線菌が虫歯の原因となります。乳歯が虫歯になると急速に進行しますが、この原因となる菌はミュータンス連鎖球菌で、ストレプトコッカス・ミュータンスと ストレプトコッカス・ソブリヌスです。
多くの日本人が口内にもっているので、常在菌とされていたことがありますが、最近の研究によってミュータンス連鎖球菌は、母親から子どもに感染していくと 考えられるようになってきました。
ミュータンス連鎖球菌は、食べ物の糖質をもとに非水溶性グルカンというネバネバした 多糖体をつくり、菌にくっつきます。非水溶性グルカンからできたプラークは非常に落ちにくく、通常の歯磨きだけではなかなか取り去ることはできません。歯垢の中で、ミュータンス連鎖球菌は、次々と酸を生産させて、虫歯を増やしていきます。そのため乳歯の虫歯は急速に進行するといわれています。
一方、大人になってからできる虫歯は、水溶性のグルカンを形成する 常在菌が原因であることが多く、歯磨きによって比較的容易に予防することができます。

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